日本の企業に勤めていた私には海外営業に関するアドバイスをしてくれるアメリカ在住のビジネス専門コンサルがいた。 会社が毎月25万を支払っていた代わりに彼は定期的に私にアメリカで営業するためのコツや営業計画を分かち合ってくれていた。 彼は数か月の間、弊社がアメリカで売却して運営出来る子会社を探していた。 さらには、子会社に関するカタログや資料を沢山集め日本に送ってくれていた。 そして、時間をかけて弊社が子会社を売却して商品をアメリカに売り込む計画案を作っている最中であった。 しかし、私がその案を弊社の営業部長にもちかけた所、“うちはまだアメリカにそこまで投資する意思はない”の一言でその案は完全に打ち切られてしまったのだ。 もちろん、この話は長期的に見れば再び持ち出される可能性はあるが、私個人的には毎週3-4時間子会社候補資料を勉強していた時間が空しくてしょうがない経験だった。
人は常に目指す目標やビジョンをはっきり把握していないとそれほど重要でないことをまるで緊急で重要な業務のように扱ってしまう傾向がある。 上記にある私の例がその非効率的現実を物語っている。 でも、実際に多くの人は似たような感じで時間を無駄にしている。 スケジュールを組む時に一番重要なのは、この一年、またこの四半期の目標である。 目標があってこそそれに合ったやるべきリストTo do listが上がって来る。 その後、必ず行うべきことはそれらに重要度と緊急度を付けることで先にスケジュールに埋めるべきものを決めることだ。 ただのやりこなすべき業務リストだと、どれが最優先されるべき業務で、どれが来年に行っても良いものなのか分からないからである。 なので、スケジュールの効率を上げるためにはやるべき業務リストを4つの枠に分けることが出来る。 (スティーブン・コビーの「7つの習慣」の本でも第三の習慣として紹介されている時間管理マトリックスはとても助けになるツールである。) まずはサンプルチャートを見てもらおう。
①は、重要で緊急な業務。 ②は、重要だが緊急ではない業務。 ③は、緊急だが重要ではない業務。 ④は、緊急でも重要でもない業務。
今日おさえたい重要なポイントは以下である ―
1)②が下手な人は①に追われる生活をする
*商社も観光業に携わる会社もスケジュールにおいて繁忙期と閑散期は存在する。閑散期に繁忙期の準備が上手く出来ないと繁忙期は毎回辛いものになるだろう。 代えて言えば、①の多くは②に持って来れるものが多いと言うことだ。 繁忙期に良く売れる人気商品はあらかじめ多く備えて置くことや、宣伝やイベント後に問い合わせが多い時期には問い合わせ窓口に数名プラスで配置させるなどの工夫も出来る。
*大学講師の多くは2ヵ月と言う夏休みがある。でも、その2ヵ月でいかに②緊急度の低い重要な業務を先に行えるかは講師パフォーマンスの鍵になって来る。 新学期まで2ヵ月準備期間があったにも関わらず夏休みの最後の2週間で業務を行うなら、②でも良かった業務を①にしてしまいかなり辛い経験をするだろう。
2)①がいつまでも多い人はストレスで長持ちしない
*アメリカの大学は提出するエッセイ(小論文)がとにかく多い。そして、私の経験上、15ページ小論文の提出の前の晩涙を浮かべながら小論文作成をスタートする大学生は少なくない。 想像して見よう。 ①が多い人は、このようなストレスを毎週抱えているのと同じなのだ。 “私は忙しくいつも余裕がありません!”と言う人は大体①を多く抱えている人が多いのだ。
3)①を増やさないためにスケジュールを組む際②を先にメインとして入れて置く
*仕事においてどうしても①は生じるものである。 コンピューターや印刷機が故障したり、同僚が不調訴えて代わりに業務を行うこともある。 しかし、実はこれらの急なことも実は減らすことが可能なのだ。 例えば、定期的に仕事で使っている機器をメインテナンスすることも出来れば、一人ひとりが健康診断はもちろん、繁忙期などには風邪に引かないように意識して健康管理に気を遣うことも①を減らせる働きなのだ。 (ボクシング選手は①(最後の一週間に4キロも減量)にならないために②(2ヵ月で4キロ減量)を行っているのだ。) そのためにも重要なのは、大事な業務を上手く細かく分けて②に入れて置くことである。 その方が、期限迫りのストレスを低くして作業に取り組むことが出来る。
この時間管理マトリックスを使うと、自分が次の四半期に持ち越すことの出来る業務もより明確化することが出来る。 また、この時間管理マトリックスを上司や部署内で相談することで①から④のリストを訂正して行くことも出来る。 このマトリックスを使うと年間、また月間スケジュールを上手く作成して行くことが出来るだろう。
あなたの時間管理マトリックスを作成してみよう。
マトリックス作成やスケジュール作成を助ける質問:
1)この一年(もしくは四半期)あなたが目指している大きな目標は何ですか?
2)目標達成のために行うべき業務リストは何ですか?
(業務リストを時間管理マトリックスに入れて見ましょう。)
3)①から②に移したい業務は何ですか?
4)そのためにあなたの仕事スケジュールをどう変える必要がありますか?(例:閑散期の使い方)
5)重要度も、緊急度も低い業務はこれからどうしたいですか?
おまけ ―
試験勉強を追い込んでやるタイプの人がいる。 “試験一週間前からプレッシャーを受けながら集中的に勉強した方が頭に残るので”、また“三か月だらだら勉強するより、短期間で終わらせる方が時間の節約!”と言う意見もある。 それらは私も同意する話である。 なので、大切なのは、自分の力を一番引き出せる勉強期間をそれぞれ見出すべきだと思う。 私がコーチング資格を取る勉強をした時には勉強資料を数週間かけて作り、3週間集中的に勉強をした。 期間を伸ばして備えた分、ストレスなく試験に挑めた。(結果も良かった!) でも、ある人はそれを1-2週間の集中勉強期間に変えることも出来ただろう。 それは個人さがあるので、自分のスウィートスポットを見つけるのを勧める。 ただし、追い込んで仕事する人はその分体力消耗が酷いので次の仕事に影響が出る可能性を考慮しなければならない。 と言うことで、包括的に自分のスウィートスポットを見つけて喜びのある仕事法を手に入れよう!
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コーチングは対面式、またはZOOMで行われます。
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