部下評価時使えるコーチング技術
- Drew Cho
- 2022年6月28日
- 読了時間: 4分
部下が上司からのフィードバッグを聞くのはなかなか勇気のいることです。 日本でフィードバッグと言うと‘業務評価’を浮かべることが多いと思います。 そう言う時は、‘あ、また上司に私の失敗や欠点を指摘される時間だ’と思いフィードバッグの時間を避けたがる思いがあります。 でも、実は上司たちの中にも部下にフィードバッグを出すのを苦手とする人たちがいます。 過去にフィードバッグをもらった部下が会社を辞任したとか、また社内で私が意地悪な上司だと噂が流れたなどいろんな例があると思います。 今の時代では部下に少しでも強い口調で叱責や評価を出してしまうと、“口の悪い上司”、また“非人格的人間”だとレッテルを貼られることも良く起こります。 でも、仕事が上手く回るためには社内評価はどうしても定期的に出す必要があります。 上司はどのようにフィードバッグすることが出来るのでしょうか?
1)まずは部下の自己評価を聞くところから始める
人は案外自分の弱さを他人よりも知っている面があります。 今四半期は遅刻が多かったことや、午後の時間帯はだるくて仕事に集中出来なかった。 また、書類作成ミスで同僚たちに迷惑をかけたなど、部下社員は自分の足りなさをどこかで感じているはずです。 また、これが営業社員になれば、自分の成果が営業数字で表れるので自分の現位置を意識しないではいられません。
2)まずは、一番良かったところから聞く
“あなたは今四半期で一番良くやり遂げたことは何ですか?”
“どんなところで自分が成長したと思いますか?”
これらの質問はまず写真の防衛的なガードを下げるのに役立ちます。 一方的に上司から言われることを恐れていた部下だと、これはまず一安心して自分の成果をアピールする自己肯定感の持てる時間になれます。
3)反省点を聞く
反省点を聞くからと言って、“今四半期であなたはどんな失敗をしたの?”と聞くのではありません。 それでは、その社員は厳しい評価を恐れ口を開けることをしないかも知れません。 代わりにこんな質問を投げます。
“今四半期、ここはもっと頑張りたかったと言うところはありますか?”
“どんなところが一番後悔している部分ですか?”
自己認識の高い社員であれば、上司がもともと指摘しようとしていた部分の大半をこれらの質問に答えながらさらけ出して行きます。 すると、上司から言われる前に自分の言葉で自分の弱さを表すことで‘他人から叱られた。嫌われてしまった’と言う落ち込む気持ちを防ぐことが出来ます。
4)前向きに聞くことは重要
フィードバッグをする一番の理由は社員をつぶすのではなく‘成長’にあります。 つまり、前進させるために持つ時間です。 すると、以下の質問がとても役に立ちます。 “もし、過ぎた四半期をやり直すならどんなことを変えると思いますか?” “今四半期からどんな新しい取り組み方を検討したいですか?”
もちろん、1)-4)の質問が終わっても依然として社員自身には見えてない盲点があることがあります。 そう言う時に、“ああ、まだ触れてない領域があって、実は。。。”と話し出すよりもっと良い伝え方があります。 それは次のように繋ぐことが出来ます。

5)過去自分がした失敗談を元に教える
もし、同僚たちと仲が悪い部下がいてそれを全く認識していないとしましょう。すると、“同じ部署の同僚たちからあなたは悪評価を受けている”と伝えるより、上司はこんなコミュニケーションを取ることが出来ます。
“実は、私も20代の頃結婚準備で忙しくなっていた時に上司にずいぶん迷惑をかけていてね。 私が終えられなかったメール回答の業務を同僚たちが夜勤しながら手伝ってくれていたんだ。でも、当時自分はいつも追われているような生活で、同僚たちに感謝する余裕すらなかったんだ。 でも、数年後に気づかされたのは、いつも迷惑をかける存在になるより、私も同僚を支えられるような社員になろうと思ったんだ。 それからは、同僚をライバルとして見るより、チームメイトとして見始めたのさ。”
同僚たちと仲が悪い社員はこれを聞きながら何を思うのでしょうか? 実は、比喩を持って伝えることは相手を直接責めることがないため、相手の感情を損ねることなく、平常心を保たせながら話を伝えることが出来ます。 そして、人はストーリーを聞くと、それを自分の状況と重ねながら聴く傾向があり、自然にストーリーの人物と自分を比べながら物事を考えるようになります。 また、このコミュニケーション法は、上司が高ぶりながら自分を見下していると言うような感覚になりません。
フィードバッグをする時間は出来れば避けたいと言う上司も多くいると思いますが、実はこの時間は社員のモチベーションを上げ、また上司によって応援されていると言う安心感を与えることの出来るとても有益な時間です。 フィードバッグに臨む上司には‘どのようにしてこの社員の潜在能力を最大に引き出すことが出来るだろうか’と言う意識が必要です。 そうすることによってフィードバッグは恐れられる時間より強められ元気づけられる時間になれるでしょう。
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